イギリスのプロテクションメーカーKNOX。
元々はプロテクターメインのブランドでしたが、今ではその技術を応用してグローブやジャケット、デニムなどライディングギアを幅広く展開しています。
今回はそんなKNOXから販売されている2つのグローブ、アーバンプロ グローブとオルサ3を比較検証!
どちらも春夏メインの似た立ち位置のグローブですが、何が違うんでしょう?
両方メッシュ採用グローブ
左がオルサOR3、右がアーバンプロ グローブです。
手の甲側から比較していくとオルサはパンチングレザーとメッシュ生地を採用、アーバンプロ グローブは手の甲側全体が3層のメッシュ生地を採用しています。
両方ともメッシュ生地を採用していますが、メッシュの種類が違い、オルサ3は生地感の違うメッシュを重ねているのに対し、アーバンプロ グローブはもっと広範囲で目の粗さの違う3層構造メッシュとなっています。
どちらもバイクで走っているときは涼しいですが、アーバンプロ グローブの方が一枚上手な通気性です。
手のひら側はこんな感じ(左がオルサOR3、右がアーバンプロ グローブ)。
アーバンプロ グローブのみスマホタッチに対応しています。
形やレイアウトは似ていますが素材が違い、オルサOR3はクラリーノ製レザー、アーバンプロ グローブはAMARA (アマラ) 合成皮革を採用しています。
どちらもグリップ力と耐久性に優れている素材。
ですが実際使ってみるとアーバンプロ グローブの方がグリップ力が高い印象です。
手触りもオルサ3はスウェードに近い感じで、アーバンプロ グローブは鹿革のようなしなやかなレザーという感触です。
どちらもSPSシステムを搭載していてデザインが違えどどちらも同じSPSです。
ナックルも素材が違う
オルサ3のナックルは外見はプラスチック製ですが、中にハニカム構造のゲルが入ったTPUナックルプロテクターとなっています。
アーバンプロ グローブはハニカム構造のマイクロロックプロテクターを採用。
どちらもナックル部分がフローティング(浮いた状態)していて装着した時に違和感が少なく、ナックルだけが浮いてしまうようなナックル浮きはありません。
両方ナックルのクオリティは高いんですが、フィット感で言えば通常時は常に柔らかいマイクロロックを採用しているアーバンプロ グローブの方がよりこぶしの形状に自然とフィットしてくれる印象です。
装着が一番の違い
次に装着すると気の違い。
今回のグローブ2つはここが大きく違います。
まずオルサOR3はBOAシステムを搭載しているので装着したらダイヤルを回すだけで締め付けてくれるので、一般的なマジックテープで固定するよりも圧倒的に楽です。
外すときもダイヤルを引っ張るだけでテンションが開放されるので付けるのも脱ぐのも楽々!
また袖口に関してもオルサOR3は写真のように手の甲側で生地がセパレートされています。
これのおかげで手を入れるのがスムーズで、汗をかいていてもスルッと入ります。
次にアーバンプロ グローブはリフトアンドロック機能を搭載。
手を入れてベルトを引っ張るだけで袖口全体を締め付け、従来のマジックテープ式のグローブより簡単に装着することができます。
外すときはマジックテープを外せばテンションが開放されるので、そこはマジックテープ式と同様。
しかしオルサ3と違って袖口部分はどこもセパレートされていないため、手汗をかいていると最初の入口が少し入れづらく感じます。
一部に伸縮性のある素材が使われているので伸ばせば問題なく入りますが、この点オルサ3のほうが優れています。
装着全体で見ても、BOAシステムを採用しているオルサ3のほうが楽に装着することができます。
使い心地
実際使ってみた印象はそれぞれ適したシチュエーションが違いました。
まずはオルサOR3ですが、春夏メインで使える涼しいグローブで、BOAシステムのおかげで着脱が全く苦じゃありません。
ただ守って欲しいところはしっかり守ってくれているグローブなんですが、プロテクターが付いている以外のところは生地が薄くて少し頼りない印象。
実際オルサ3で何度も転倒しましたが、生地が薄いとはいえその部分は滅多に地面に当たらないのでしっかり守ってくれます。
次にアーバンプロ グローブ。
こちらはオルサ3以上にメッシュ部分が大きいので涼しさはアーバンプロ グローブに軍配!
手のひら側はレザーなので薄くてもしっかり守ってくれる印象。
手の甲側のメッシュはオルサ3よりも分厚く、万が一路面に擦れても大丈夫そうな感じがします。
実際アーバンプロ グローブでも転倒しましたが、しっかり守ってくれて大きな怪我はしませんでした。
どちらも使いやすくて良い春夏グローブというのは確かなんですが、着脱の面からオルサ3はモトクロスやダートトラックなど着脱の多い競技で便利に使えています。
アーバンプロ グローブも競技で使えるスペックですが、着脱が多いと少し手間に感じてしまいます。
なので逆に着脱の回数が少ないツーリングユーズではアーバンプロ グローブの方が向いていると思います。
実際アーバンプロ グローブは生地に厚みがあっても涼しく、適度に安心感もあって高速を巡航していても不安がありません。
使い方で選ぼう!
一通り比較検証してみましたが、どちらもそれぞれの良さがあるグローブなので最終的には使うシチュエーションで選ぶのがベストだと思います。
個人的にはツーリングユーズはアーバンプロ グローブ、競技ユーズではオルサOR3で安定しています。
あとは値段ですが、オルサOR3は¥13,750(税込)に対し、アーバンプロ グローブは¥14,300(税込)。
ほぼ同じ価格帯なのでオンオフで使い分けるのもアリだと思います!
この夏はお好みの涼しいグローブで夏のバイクライフを満喫してください!