ツーリングで使えるガエルネのショート丈ライディングブーツ・シューズを比較していくこの企画。
前回はスニーカーに近いGロケットとボヤージャーを比較しましたが、今回はスニーカーとブーツのちょうど間のような立ち位置のタフギアとパンテーラを比較していきます!
ガエルネのロングセラーモデル「タフギア」
タフギアは10年以上人気を維持し続けているガエルネのツーリング、アドベンチャーモデル。
オンはもちろんですが、オフにも対応していて、バックルなどオフロードブーツで見るようなパーツが使われています。
つま先とかかとにプロテクションを内蔵。
カジュアルな雰囲気というよりはある程度バイク用品らしいスタイルなので、ツーリングジャケットとも相性が良さそうです。
バックルはED-PROなどにも使われているタイプで、2段階バックルを引っ掛けることができ、手前にかければ緩め、奥に引っ掛けると強め、とバックルの長さを変えなくても締めつけ感を変えることができます。
ストラップの長さも調整できるので、最初に長さ調整したらその後は走るシチュエーションで締めつけ感を変えて使うなども可能です。
またそれでもサイズが合わない場合はバックルの位置自体を動かせるようにビス穴が用意されています。
ソールはビブラムソールを採用。
御存知の通り登山靴などにも使われるソールなので、オフロードでのグリップもバッチリ!
剛性に関しても良好。キックのバイクでケッチン(跳ね返り)を食らっても怖くないくらいの厚みはあり、歩いてる時は足に合わせて動いてくれるので、バイクで使う上では十分な性能を持っています。
全方位型ツーリングブーツ「パンテーラ」
パンテーラはゴアテックスを搭載した全天候型防水ライディングブーツ。
タフギアは10年以上前からあるモデルですが、パンテーラはGAERNEとJAPEXが3年の歳月を掛けて開発した比較的新しいモデルです。
日本のライダーが必要な要素を追求して作られているため、防水はもちろん、ソール剛性だったり脱ぎ履きが簡単だったり、ライダーが欲しいと思う機能が現代の素材と機能で実装されています。
タフギアとはまた違ったスタイルで、マットブラックを基調とした落ちついたデザイン。
独自開発の専用ソールはホワイトカラーとなっていて、スポーツバイクで使っても違和感がなく、同時にオフロード、アドベンチャーバイクでも使えるという、どんなバイクにも合わせやすいブーツです。
長さはタフギアと同様にハイカットスニーカーと同等。
こちらもバックル式を採用しており、2つのバックルの開閉で脱ぎ履きできます。
長さ調整可能なストラップとなっており、引っ掛ける場所は各バックルに1箇所のみですが、バックルを閉める動作で滑るようにストラップの接地面がスライドして固定されるので、タフギアよりもお手軽かもしれません。
オン・オフ全方位に対応しているブーツのため、アスファルトではもちろん、土や砂の上でもグリップするソールです。
しっかり踏ん張って力をかけても滑りにくいので、フラットダートなどでも使える性能だと思います。
ツーリングで使うならどっち?
まず大前提として、タフギアとパンテーラはかなり似た立ち位置です。
そしてタフギアは10年以上前に開発され、パンテーラはここ数年なので、どの面でもパンテーラの方がスペックが高いと思います。
ですがタフギアならではの良いところもあるので織り交ぜながら比較していきます。
今回は街乗りではなくツーリングを想定のため、まず防水透湿は欲しいところ。
ゴアテックス搭載のパンテーラはやはり高性能で、雨の中走っても滅多なことがなければ浸水しません。
一方タフギアは防水ではないため、雨の中のライディングには向いていません。
また透湿でも比較してみると、パンテーラは季節を選ばず常に快適な内部環境を保ってくれます。
この点タフギアは内装に速乾性に優れた素材を採用しているため、夏のムレはそこまで気になりません。
ですが冬の防寒という意味では大きく差があって、タフギアでは多少寒さを感じるのに対し、パンテーラは比較的温度を保ってくれるように感じます。
タフギアとパンテーラのどちらもマイクロファイバー素材を使ったブーツですが、パンテーラは呼吸するマイクロファイバーを使っており、ゴアテックス以外でも透湿に貢献しています。
履き始めから足に馴染んでいくスピードはどちらも履き始めてすぐ馴染んでくれます。
微々たる差ですがタフギアのほうが足首の固定される位置が低いので、動かしやすく感じました。
オフの安定感はタフギア
どちらもオフロードに対応したソールですが、少しの差でオフロードでのグリップ力が高いのはビブラムソールのタフギアだと思います。
パンテーラもしっかりグリップするんですが、パンテーラのほうがソール自体の剛性が高いので、ソールというよりはブーツ全体でグリップしているイメージ。
対してタフギアはソール自体が食い込んでグリップしている感覚があります。
他にもオフロード路面の平らな場所ならパンテーラはしっかりグリップしますが、林道など不安定な場所で枝を踏んでいる場合などもタフギアのほうが適度にしなって路面に合わせてくれるため踏ん張りやすく感じました。
ショート丈4モデルの総括
今回は2記事に分けてGロケット、ボヤージャー、タフギア、パンテーラをそれぞれ比べてみました。
Gロケット
履きやすさ:★★★★★
安心感:★★☆☆☆
防水:★★★★★
デザイン:★★★★☆
コスパ:★★★★☆
ボヤージャー
履きやすさ:★★★★★
安心感:★★☆☆☆
防水:★★★★☆
デザイン:★★★★★
コスパ:★★★☆☆
パンテーラ
履きやすさ:★★★★☆
安心感:★★★★★
防水:★★★★★
デザイン:★★★★☆
コスパ:★★★☆☆
タフギア
履きやすさ:★★★★☆
安心感:★★★★★
防水:★☆☆☆☆
デザイン:★★★★☆
コスパ:★★★★☆
結論から言うとツーリングで使うならパンテーラを履いておけば間違いないと思います。
唯一オンオフ全方位に対応している防水モデルなので最初からスペックが高く、なんでも一通りこなすことができます。
しかしパンテーラにはGロケットのような軽さや気軽に履けるという面はなく、ボヤージャーのようなカジュアルさもありません。
シチュエーションによってはGロケット、ボヤージャーのほうが使いやすかったということもあると思います。
なので愛車のバイクタイプやツーリングスタイルに合わせて選ぶのがベストだと思います。
個人的には春か秋で300kmくらいの日帰りツーリングで使うならGロケット、距離は短いけど目的地で歩いて移動する場合はボヤージャー、泊まりでとにかく長距離を走る場合はパンテーラ、オンだけでなくオフロードもたくさん走る場合はタフギア、と使い分けたいと思います。
みなさんも自分のバイクライフにあったブーツを使ってより安全に、豊かにバイクを楽しんでみてください!
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