オフロードバイク、アドベンチャーバイクユーザから絶大な支持があるエンデュリスタン。
本気のエンデューロ好きが作っているため、ライダーが求めているものにジャストなラゲッジを数々生み出しています。
今回はそんなエンデュリスタンはどうやってできて、どういう人がやっているのか、内側をご紹介します!
スイス発のオフロードラゲッジメーカー
エンデュリスタンは2008年に設立されたオフロードラゲッジ専門のメーカー。
元々エンデューロやアドベンチャーライディングが好きだった創設者のデイビット氏(写真上)が、市場のラゲッジでは満足できず、もっとレベルの高いオフロードラゲッジを求めて設立されたブランドです。
ここからはデイビット氏に質問した内容をお届けします。
Q:デイビット氏のバイク歴、これまでバイクでやってきたことを教えて下さい。
A:バイクに乗り始めたのは23歳からで、最初はKMX125やCM125から始まりました。その後オフロードにハマってからも色々乗りましたがKTMアドベンチャー640が一番長く乗っていたと思います。最初は彼女(今の妻)と一緒にオフロードを楽しんでいて、そこから徐々に激しいオフロードにハマっていきました。
砂漠を走るのが好きで、24時間走って移動したり、サハラ砂漠を2週間かけてバイクで走るというのもやりました。当時はメカニカルエンジニアの職についていて、色んな国に滞在していたので、各国のオフロードを楽しみました。
Q:エンデュリスタンを作ろうと思ったきっかけはなんですか?
A:本格的にオフロードにハマっていろいろな場所を走っていく中で、当時市場にあったラゲッジでは自分のしたいライディングができなかったんです。技術的な面というよりは、ラゲッジ自体の機能的な問題で、最初はしっかり固定できても走っているうちに緩んで落ちてしまったり、雨で中身が濡れてしまったり、砂や泥が貫通して中が汚れてしまったり、様々な問題がありました。実は僕はかなりの雨男で、砂漠で雨に降られたこともあります笑。
旅をして思い知らされたことは、所詮人間は自然には逆らえないし、自然は人間に寄り添ってくれないということ。でもそんな過酷な状況を走破するから面白い。そういう人に向けたラゲッジを作ろうと思って、過去自分が経験してきた過酷なライディング経験を元に商品のスケッチをはじめました。
Q:最初に開発した商品はなんですか?
A:タンクバッグの「サンドストーム」です。当時は防水製が最初から備わったタンクバッグが市場になくて、雨の時にレインカバーをつけるのが一般的でした。でも僕は雨男であると同時にカメラ小僧でもありました。いざという時にカメラが取り出せやすく、突然の雨でも守ってくれるようなバッグが欲しかった。
Q:エンデュリスタンとはどういった意味ですか?
A:「スタン」は国という意味です。エンデュリストの国という、いつか実現したい夢を込めてこの名前にしました。サンドストームやハリケーンなどの名前は砂漠などで起こる自然現象から命名しています。
Q:エンデュリスタンを作る上で何を重要視していますか?
A:まず重要なのは3つあり、防水であること、強靭であること、そしておしゃれなデザインであること。防水防塵で耐切り裂きに優れ、かつ車体に装着した際もダサいラゲッジではなく、洗練されたデザインと形を意識しています。
製品についての質問
ここからはエンデュリスタンの製品の細かい部分についても聞いてみることにしました。
Q:パニアケースなど各社ラゲッジはハードタイプが多いですが、エンデュリスタンがソフトな理由はなんですか?
A:まず内部に型が入ったハードタイプは中身の荷物量に関係なく大きさは変わりません。そして大きければ大きいほど転倒した際に破れたり、内部の荷物が壊れたりするリスクが上がります。型のないソフトにすることで、荷物量に合わせて極限までラゲッジを小さくすることができ、無駄なリスクを減らすことができるためです。
Q:内装が赤い理由はなんですか?
A:内部の荷物が見やすいようにスイス国旗にちなんで赤色にしました。
Q:エンデュリスタンの内部に仕切りがないのはなぜですか?
A:確かに他メーカーではラゲッジ内部に荷物を積み分ける仕切りが用意されています。しかしエンデュリスタンではその人の使い方を制限したくないため仕切りを設けていません。どういうパッキングでも自由に使って欲しいし、必要な方は後から仕切りを付ければいいと思ってます。後は徹底的に軽量化するためでもあります。
基本はハイエンドに向けた製品作り
今回デイビット氏に様々な質問をして回答して頂きましたが、エンデュリスタンの根底にあるのは一般的なツアラーではなく、本気でアドベンチャーやラリーを楽しんでいるライダーたち。
本人がそうであったように、本気で過酷な環境の中を走って必要だと思うものを作った結果、ハイエンドユーザーだけでなく、幅広い層にも便利に使ってもらえる製品が誕生しました。
あまり知られていませんが、実はエンデュリスタンはKTMやハスクバーナの純正オプションとして販売されているラゲッジのOEMも手がけています。
世界のオフロードメーカーも認める製品のクオリティや考え方を今回垣間見ることができました。
これからも世界のエンデュリストたちに向けた製品をリリースしていくと語るデイビット氏。
本気でオフロードが好きで走り込んだ彼らだからこそ、作れたブランドがエンデュリスタンだと思います。
今後リリースされるエンデュリスタンのNEWアイテムも要チェックです!