どうも、アイキョウです。
普段はバイクやアウトドアのメディアで記事を書いたり、youtubeにバイクの動画をアップしたりしています。
今回はJAPEXさんからナンバー145の魅力を伝えてよ!と依頼されたので記事を書いています。
そもそも僕はガエルネのフーガというシューズを2023年の9月ぐらいから使っているので、すでに1年半ぐらい愛用していることになります。
このフーガとナンバー145はバイクで言えばMT-25とYZF-R25、CBR650とCBR650Rみたいな感じでメインのフレームとエンジンは一緒だけど装飾がちょっと違う兄弟モデルみたいなものです。
僕はレビューで他のシューズを履くことはあっても、基本的にフーガを使っているんですけど、週4とか5回ぐらい履いているので、ちょっと休ませる必要があるなと思っていたので、兄弟モデルのナンバー145も狙っていたわけです。
ただある理由でこのシューズは生産数がとても少なくて手に入れることができませんでした。まずはその理由から解説していきたいと思います。
ナンバー145とフーガの生産数が少ない理由
僕の靴のサイズはガエルネだと25.5㎝、僕が欲しかったのはワインレッドという色なんですけど、前回、前々回の入荷の際には購入することができませんでした。
入荷数が少ない理由は三つ。
第一に創業者のガゾーラ・エルネスト氏が率いる職人チームにしか製造できないこと。
御年92歳のガゾーラ氏は未だ元気に現役。
僕は祖父の介護にも携わりましたが、92歳って言ったら周りの助けがないと行動が難しいのが一般的だと思います。
ところがガゾーラ氏は未だに工房に立ち、靴の製造にかかわっていると聞いています。
ガエルネの創業当時から伝統的な製法で作られているナンバー145やフーガは一部の職人しか製造を許されていないので製造数が少ないんです。
二つ目の理由としては原材料がなかなか手に入らない事があげられます。
例えば僕は
ガエルネのGストーンという靴を使っていますが、こちらは2mm厚の革を使っています。ところがナンバー145やフーガには3mm厚の革が採用されています。
一般的な革靴には2mm以下の革が使われることが多いので、3mmの革は流通量が少なく、特にコロナ以降は減少してしまっていると言います。
更にナンバー145やフーガはアッパーに縫い合わせが少ないので、大きな一枚革が必要になります。
革はどうしても天然素材なので生きているうちに傷が入ります。あまり大きな傷や穴が空いているものに関しては3mmの厚みがあっても使う事が出来ません。
僕が買った新品のナンバー145にも多少の凹みや小さな傷はあります。こういうのが気になるのであれば天然皮革の製品は買わない方が良いです。最近は人工皮革などハイテク素材があるのでお勧めです。
三つ目の理由としては、ナンバー145とフーガに関しては日本専売モデルで他の国では販売されていないという事です。
グローバルモデルであれば、職人の数を増やして生産数も増やす努力もするのでしょうが、ライダーの高齢化も進み、バイクの販売台数も減少傾向にある日本のみに販売している製品ですから、製造数が少ないのもしょうがないと思います。
ちなみにガゾーラ氏が引退された際には製造を行わなくなる可能性が高いとも言われています。
ガエルネの代理店である日本のJAPEXとガエルネの付き合いは1979年にさかのぼります。
僕は職人さんとの付き合いも色々ありましたが、長く付き合うと本当に良くしてくださる方が多いです。
ガゾーラ氏も長い付き合いのあるJAPEXだからこそ、大した商売にもならないナンバー145やFUGAを作り続けてくれているんだと思います。
ディテールと経年変化に関して
価格に関してはここ最近で何度か上がっていると思います。ただ海外生産商品は全体的に為替の影響で値上がりしているので仕方がないかもしれません。
サイズは25~28.5cmで、公式のサイズチャートだと普段使っているサイズよりも0.5cm上げた方が良いという事になっているんですけど、僕は普段通りのサイズで問題なしでした。
JAPEX公式サイトで購入すればサイズ交換してもらう事ができるので、公式サイトがお勧めです。
3mm厚の革
僕は今まで色々な革製品、革靴を使ってきましたが、ここまで硬く、厚い革を使った事がありませんでした。
ガエルネ最新モデルのGストーンはゴアテックスフィルムを使って防水性を上げたり、踝回りにプロテクターを入れるなど、使いやすさと防御力のバランスに優れています。
動きやすく、使いやすいライディングシューズが欲しいならダントツにG-ストーンがお勧めです。
対してナンバー145は、とにかく厚い革で足を守るというコンセプトで作られています。踵周りとつま先にはFRP製の補強が入っていますが、足を守るというよりは靴の形を崩さないための物だと思います。
公式的には週1回の使用で3カ月程度で馴染むと発表されていますが、1年半頻繁に履いても硬いものは硬いです。
ただ新しく届いたナンバー145と1年半使ったFUGAを比べてみると、確かに柔らかくなっているのを感じます。
3カ月~4カ月に一回程度はオイルを塗りこんだりしていたので、その効果もあったと思います。
最初の一回は僕が革製品のメンテナンス全般に使っているコロニルのクリームを使いましたが、油分を補いつつ、防水性を保たせるというガエルネのウォータープルーフポリッシュという製品を見つけたので、今はこちらを使っています。
それと視聴者さんからの情報でミズノのグローブ用のオイルを使うと柔らかくなりやすいと言われて使った事もあります。こちらも結構良かったですね。
この分厚い革にチェンジガードのところを含めて何枚か補強の革を入れていますが、基本的にダブルステッチ、場所によってはトリプルステッチで縫い合わせているので、縫い目が剥がれることもありません。
足の形に徐々に馴染んできても硬さを感じる理由の一つは剛性に優れたソールです。
最近のソールはミッドソールとアウトソールを分けることで軽く、衝撃吸収性に優れた設計にすることが多いですが、分厚いラバーソールをノルウェージャン製法で仕上げています。
アッパーとソールを独特のクロスステッチで縫い合わせる製法で分厚い糸が2本ずつ表面にでているのが特徴です。
剛性感が半端じゃないので、靴を履いていると違和感はありませんが、つま先部分を手で曲げようとするととても硬くて、1年半履いたフーガでも力がいります。
剛性感と引き換えに衝撃の吸収性は低く硬さがあるので、歩いていてもカツカツ感があります。
ちょうど最近アウトドアメーカーの雪山登山でも使える靴を購入したんですけど、低登山用の靴と比べると靴底に剛性感があって硬さを感じました。
その靴の紹介動画のコメント欄で繊細なシフトタッチがしたい人は靴底の剛性感が高い靴は向いていないというものがありましたが、その通りだと思います。
ただサーキットを走るのでもなければ、公道で繊細なシフトタッチなんて必要ないと僕は思っています。
ガエルネは元々登山靴も作っていたメーカーなので、ナンバー145やフーガには登山靴のノウハウがいかされている印象です。
ミッドソール、アウトソール一体側の分厚いラバーソールと3mmの革の重さが半端じゃないので、慣れるまでは重く感じますが、慣れてくると歩きやすく感じます。
ただ階段とかを歩いているとやっぱり重さは感じます。
ちなみにソールパターンはぬかるんだ路面でもグリップしやすいブロックパターンで、ソールはビブラムを搭載しています。
厚みはつま先側で2cm、踵側で4cmあるので足つきは結構よくなります。
インソールについて
もともと靴の内側には革製のインソールが貼られていますが、サイズ調整用のインソールもセットで入っています。
他のガエルネのシューズには初めから靴底に入っているソールですが、クッション性に乏しくて薄いので、脱ぐときに一緒に脱げてしまう事もあって使っていません。
フーガは歩行時の衝撃吸収性もあまり良くないので、アマゾンで衝撃吸収性に優れたインソールをフーガには入れて使っていました。
比較的つま先は高さがあるので、厚手のインソールを入れて、更に厚手の靴下を履いても問題なく履けました。
今回も同じものを購入して使ってみようかと思っていたのですが、ガエルネのハイグレードインソールという製品があることを知り使ってみました。これはモトクロスブールのハイエンドモデルSG-12に標準装備しているインソールです。
そこまでクッション性があるものではありませんが、伝統的な靴なので、あまりハイテクなインソールを入れるよりも相性が良いかもしれません。
まとめ
長くなってしまいましたが、10年、20年と長く使う靴が欲しいならフーガやナンバー145はダントツにお勧めです。
ただこの製品を買えるのは期間限定だと思った方が良いと思います。
ガゾーラ・エルネスト氏がいつまでこの靴を作ってくれるかわかりません。最近ではナンバー145やフーガはタイミングによっては欠品していることが多くなっています。
僕は普段商品紹介などで煽るような事は言わないのですが、僕自身も1年半買えなかったので、欲しい人は入荷情報をこまめにチェックするのがお勧めです。
アイキョウマサユキ
バイクやアウトドアのメディアで記事を書いたり、 クロームでアンバサダーをしていたり、youtubeで動画を作ったりしています。愛車はCRF250ラリーとクロスカブ110
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